1976-1985年「一流の追求」

1976-1985年「一流の追求」

基本と原点を再確認しながら
製品・企業・社員の「質」を磨く

「一流の品質」「強い企業体質」で不況をチャンスに

大不況が日本経済に影を落としていた1970年代半ば。天龍工業はピンチをチャンスに変える不屈の精神力と団結力で、右肩上がりの成長を継続していました。一途に追い求めたのは「一流の品質」「強い企業体質」です。1978年、FRP製浄化槽にJIS(日本工業規格)マークの表示認可を取得。1980年代に入ると「量より質の時代」に向けて、社訓の遵守実行をあらためて誓いました。1982年からはTQC(全社的品質管理)活動、QC(品質管理)サークル活動を全社的にスタート。企業の体力強化を図りました。

新体制を整えて時代を先取る製品開発

「自分が燃えなければ他人の心に火をつけられない」そう奮い立ち、販売・技術・製造の連携強化、収益改善などに手腕をふるった藤田朋保社長。1977年、会長の職に就き、初代社長から引き継いだ志を後進に託しました。新社長となったのが、当時常務だった福西紀雄。顧客ニーズを先取りする製品開発・販路開拓を進め、人工腎臓透析専用治療台の開発、ビジネスジェット機の部品生産や組立、さらにヘリコプター、テーマパークのダークライド、各種ゲームマシンなどの生産にも奮励しました。

アジア各国とのつながりを結ぶ

「一流の品質」「強い企業体質」を求める天龍工業は、アジア各国の企業の目に「目指すべき姿」として映ったようです。1980年に中国企業施設研修生一行が来社し、工場や社内行事を見学。1983年には、インドネシアの企業から要請を受け、バス用シートに関する技術援助・ライセンス契約を締結しました。続いて1985年、韓国の企業とも技術援助およびライセンスの契約を交わし、技術供与や研修生の受け入れを進めました。世界に門戸を開き、国内外の企業とともに発展する、共生の姿勢を貫いたのです。

TENRYU WAY―挑む天龍魂

航空機シートの軽量化を極限まで突き詰め「世界一」を達成

大空を飛ぶ航空機のシートは、「高度な品質」と「軽さ」という要件を満たすことが必須です。天龍工業は日本の航空会社との共同開発に力を注ぎ、1979年、「世界一」の称号が付与された軽量シートを完成させました。従来品より約3.6kgもの軽量化を実現しただけでなく、安全性、快適性も徹底的に追求。きわめて技術力の高いシートを世に送り出し、省エネ・高速時代をいち早く捉えました。

あの日の天龍

1983年7月2日:第1回QCサークル活動全社大会を盛大に開催

天龍工業にTQC活動が導入されて1年が経過した1983年、創立37周年の記念日に、第1回QCサークル活動全社大会が開催されました。代表10チームがQC活動の成果を堂々と発表。福西紀雄社長は「TQCは事業計画を達成するためにある。全員が日々の実践の中から何かを学んでほしい。今日、発表者も参加者も、『やればできる』と自信を持ったことと思う」と語り、「一流の品質」を追い続ける従業員たちを激励しました。

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